第1話:奴、見掛け倒し?

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 晶はあまり人に興味を持たない。それ故、逆に興味を持たれるとどうして良いのか分からなくなるのだ。  特に異性からのああ言った行動は困る。免疫がないのに、外見だけはイケメンの川端に手を握られあんな近くに居られたら、爆発してしまいそうだ。 「やっぱり、もう少し休もう」  店長の生方に悪いと思いながらも、このまま出て行ったら自分の身が保たない気がしたので再度ソファーに腰掛けた。 ―――……ガシャンッ 「―――……え!?」  ソファーに腰掛けてすぐ、大きな物音がした。晶はビクッと体を起こして周りをキョロキョロと見回した。  ここは何でもない。じゃあ…大きな物音はカウンターからだったのか?  心配になったので急いでお店の方へ出ていくと、信じられない光景が広がっていた。 「―――……は!?」 「…ッバカ野郎!!隠れてろ!!」 「まだ1人居たのか!?お前もこっち来い!!」  「抵抗しない」と言う意味で両手を軽く上げている生方。その背中にナイフを押し付けている黒帽子の男。  その足元には中身が入ったままだったのだろう。コーヒーカップが割れて床に染みていた。
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