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さっきの物音はコイツが川端の頼んだコーヒーを下に叩きつけた音だった。
詳しく状況を整理している場合ではないのに、晶は呆然とその場に立ち尽くしていた。
その様子を席に着いたまま見ている川端。相変わらずのニコニコ顔で晶を見つめた。
「ガキ!!早くこっちに来い!!」
「……アイツは関係ない!!」
「うるせぇ!!見られたからには関係すんだよ!!」
「しょーちゃん?ゆっくりおいで。
怖がらないで……ちゃんと従えばウブは無事だから」
犯人の後ろで優しい口調で言った川端。しかし、表情はさっきと打って変わって獣みたいだった。
その表情にビクッとして、川端の言葉通りゆっくりと犯人に近付いた。
そんなに広くない店内をゆっくり時間をかけて歩いていると、犯人はイライラしながらこっちだけ気にしていた。
「早く来い!!コイツが刺されても良いのか!?」
犯人がこっちを見て怒鳴った。その瞬間、今まで席に座っていた川端が突然立ち上がり
「しょーちゃん上出来」
と言って犯人を蹴り飛ばした。
「ゲホッゲホッ……ッ!?」
「ボクのコーヒー落としたバツだよ」
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