34人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はその様子を見て、一息入れるように店に置いてあるベンチに腰を下ろした。
「今日のさなえちゃん、楽しそう♪」
そうベルが言いながら、俺の隣に座る。「いつもは…楽しそうじゃないんですか?」
そうベルを見ながら言った。
「ん~、いつも楽しそうだけど、今日はよりいっそう楽しそうって言った方が良いのかな?シノさんと一緒だから?」
そんな冗談を織り交ぜながらベルは笑いながら言った。
俺は苦笑いをして、ベルの話を聞いていると…さなえがこっちに向かって歩いてきた。
「ねぇねぇシノさん、こっちの服とこっち服、どっちが似合うかなぁ?」
そう言ってさなえは両手に持っている服を俺に見せた。
右手には青いワンピース。スカートの部分にシマシマの模様がついている。
左手には、茶色のワンピース。デザインは同じだが、方の部分が盛り上がっているのと、シマシマの部分が音符の模様になっている。
俺は少し悩んで
「青いワンピースの方が俺的には良いかな?」
そうさなえに言ってみると、さなえはニッコリ笑って
「シノさんならそう言ってくれると思ってました♪それじゃぁ試着してきますね」
そうさなえは言って試着室に向かった。
ベルは俺の隣で二人の会話を聞きながら、ニッコリしていた。
さなえが試着室に入り、カーテンを閉めて着替え始めた時だった。
「………っ!?」
急に頭が痛くなった。
たまらず頭を抱える。
その光景を見たベルは
「シノさん!?大丈夫ですか!?」
心配に俺に話しかける。
しかし、俺はベルの言葉に返事を返す余裕が無いくらい頭が痛かった。
頭が割れる。
そう思った時、誰かの声が聞こえた。
「シ……ノ………。」
さなえさん?違う。
じゃぁベルさんか?
しかし、どれとも合わなかった。
どこか懐かしい声だった。
そう思った時…そのまま俺は気を失った。
最初のコメントを投稿しよう!