第六章

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また目を覚ます。 少しボーっとした後、体を起き上がらせてみた。 近くを見渡してみる。 さなえの部屋だった。 俺はさなえのベッドの上で寝ていたようだった。 その横で、さなえがベッドに俯くように寝ていた。 時計を見てみると、もう0時を回ってる。 あぁ…俺、服屋で倒れたんだ。 天井を見つめる。 さなえさんに悪いことしたな。 そんなことを思いながらまた眠りについた。 ……。 ……………。 起きたのはそれから丁度2日後だった。 ゆっくり目を開けた。 「シノさん!?」 そう叫んだのはさなえだった。 俺は寝ながらさなえがいる方を見る。 「さなえさん…?」 「良かった…本当に…。」 さなえは顔を手で覆って泣いていた。 「ごめん…心配かけちゃったみたいだね」 「ううん…シノさんが無事だっただけでも…」 さなえはそう言うと、また泣き始めてしまった。 「さなえちゃん、三日三晩シノさんの看病してたんですよ。」 そい言って台所から歩いてきたのは、ベルだった。 「ぁ、ベルさん…ご迷惑お掛けしたみたいで…」 「お礼だったらさなえちゃんに言ってあげて」 そうベルが言う。 俺はベッドから起き上がってさなえの方を向いた。 「さなえさん、ありがとうございます。」 そう俺が言うと、さなえは泣いていた顔を手で拭って、ニッコリ笑った。
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