第二章

2/2
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
俺は苦笑いをしながら話を進めた。 「俺とさなえさんはそんな関係じゃないんで」 っと俺がリエに言うと 「な~んだ、つまんないの~」 っと言いながら笑った。 (この子…分かってて言ってたな) 俺は小声でつぶやいた。 「ま…まぁこんな所で立ち話も何だし、家に入ろうか。リエちゃんも…」 そうさなえが言うと 「ぁ、ゴメーン。私これからちょっとやらなきゃいけない事があるから、また今度誘ってね」 っとリエが言うと、さなえが少し残念そうに「そっか、それじゃまた今度ね」っと言って家の鍵を開け、ドアを開けて「シノさんどうぞ」っと言って、中に入っていった。俺もそれに続くように入ろうとしたら。 「ねぇシノさん」 家に入ろうとした俺を、リエは引き留めた。 俺は振り返り 「なんですか?」 そう俺が言うと、リエは少し黙ったままうつむいた。 俺は、何だろうと思っていると、リエが口を開いて話し始めた。 「シノさんは…さなえちゃんに会ったのはこの街が初めてだよね?」 「えぇ、そうですけど…それが何か?」 「そっか」 「??」 俺は首を傾げながらリエを見ていると。 (あなたなら…もしかしたら…) 「ぇ?」 リエがつぶやいたその言葉は、不思議で、何のことを言ってるのか今の俺には分からなかった。 その時、ガチャっと音がして、さなえが玄関からでてきた。 「シノさん?アレ、リエちゃん?何話してるの?」 さなえが言うと 「ん~ん、なんでもないよさなえちゃん。ただシノさんにさなえちゃんを夜這いにかけないように!って釘さしてたところだよ」 と、リエが笑いながら言った。 俺は「はっはっは」と作り笑いをした。 「じゃ、私行くね」 そう言って、リエは手を振りながらその場を去った。それを見送った後 「それじゃ、私達も家に入りましょうか」 さなえがそう言うと、俺はその言葉に誘われるようにさなえの家に入った。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!