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俺は苦笑いをしながら話を進めた。
「俺とさなえさんはそんな関係じゃないんで」
っと俺がリエに言うと
「な~んだ、つまんないの~」
っと言いながら笑った。
(この子…分かってて言ってたな)
俺は小声でつぶやいた。
「ま…まぁこんな所で立ち話も何だし、家に入ろうか。リエちゃんも…」
そうさなえが言うと
「ぁ、ゴメーン。私これからちょっとやらなきゃいけない事があるから、また今度誘ってね」
っとリエが言うと、さなえが少し残念そうに「そっか、それじゃまた今度ね」っと言って家の鍵を開け、ドアを開けて「シノさんどうぞ」っと言って、中に入っていった。俺もそれに続くように入ろうとしたら。
「ねぇシノさん」
家に入ろうとした俺を、リエは引き留めた。
俺は振り返り
「なんですか?」
そう俺が言うと、リエは少し黙ったままうつむいた。
俺は、何だろうと思っていると、リエが口を開いて話し始めた。
「シノさんは…さなえちゃんに会ったのはこの街が初めてだよね?」
「えぇ、そうですけど…それが何か?」
「そっか」
「??」
俺は首を傾げながらリエを見ていると。
(あなたなら…もしかしたら…)
「ぇ?」
リエがつぶやいたその言葉は、不思議で、何のことを言ってるのか今の俺には分からなかった。
その時、ガチャっと音がして、さなえが玄関からでてきた。
「シノさん?アレ、リエちゃん?何話してるの?」
さなえが言うと
「ん~ん、なんでもないよさなえちゃん。ただシノさんにさなえちゃんを夜這いにかけないように!って釘さしてたところだよ」
と、リエが笑いながら言った。
俺は「はっはっは」と作り笑いをした。
「じゃ、私行くね」
そう言って、リエは手を振りながらその場を去った。それを見送った後
「それじゃ、私達も家に入りましょうか」
さなえがそう言うと、俺はその言葉に誘われるようにさなえの家に入った。
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