目覚め

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車から降りた俺は、玄関を開ける。 今日も疲れた。 ふくらはぎがパンパンだ。 倒れ込む様にお気に入りの一人掛ソファに腰掛ける。 同時に鞄から煙草を取り出し、火をつけた。 はぁー。 しかし今日はひどい一日だった。 一度座ると、立ち上がれないほどの疲労感が全身を包んでいる。 12時間ぶりの紫煙に心が癒される。   俺は、佐原 心。 総合病院で看護師をしている。 毎日超勤をするほど忙しくはないはずなのだが、慢性的な人手不足と、日頃の不摂生のおかげで、仕事が終わる頃には、ヘトヘトになってしまう。 年齢は27歳 独身。 家に帰っても待つものはいなく、仕事帰りにコンビニ弁当を買うのが、習慣になってしまった。 家に帰ると、食べ飽きた弁当を詰め込みながらゲームをするのが常だが、今日は予定外の入院が3名も入り、いつにもましてハードだった。 だからゲームの電源を入れた後、そのまま眠りについてしまった。
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