〓 世羅修蔵 〓

5/6
前へ
/156ページ
次へ
  米沢藩士 竹俣美作 「あれでは話にならぬ」 仙台藩士 瀬上主膳 「但木殿 お話したい事が」 … 瀬上が書状を差し出す … 但木土佐 「これは?」 瀬上主膳 「世羅修蔵が薩摩の  大山格之助参謀に宛てた  書状でござる」 但木土佐 「どうしてこのようなものが」 瀬上主膳 「世羅が福島の用人に  極秘の書状だと言って  託したものをそれがしが  預かって参りました」 但木土佐 「人の手紙を盗み見るは  恥ずべき事ながら…」 瀬上主膳 「あの男の事ゆえ  嘆願書の事すら報告して  おらぬのではと思いまする  彼らの本心がわかれば  会津藩とて  対応の仕方もあろうかと」 … 書状を読む但木 … 但木土佐 「おのれ世羅め!  奥羽皆敵! 弱国ニ藩は  恐るるに足らずだと」 竹俣美作 「奥羽 皆敵!」 但木土佐 「初めから会津を潰す気じゃ  しかも弱国ニ藩とは何事ぞ」 瀬上主膳 「それはわが仙台藩と  米沢藩の事で!」 但木土佐 「薩長がその気なら  弱国の手並み  見せてくれよか」
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

292人が本棚に入れています
本棚に追加