帰郷

13/13
前へ
/367ページ
次へ
リアスの視線は老人から老人が持つ箱に移った。 「その箱は?」 老人は箱をレジの横に置き箱にある鍵穴に鍵を差し込み開けた。 ガチャン 箱の中には桜の装飾がされた鍔のない一本の小太刀があった。 「うちは魔武器専門での。ほぼ儂の趣味で集めたんじゃ。その中に短剣は無くての。まあ、この小太刀も短剣とは変わらんじゃろ?」 リアスは長刀を壁に預け小太刀を取った。 カチャ 「綺麗ですね。気に入りました。」 リアスは小太刀を抜き刀身を見てそう言った。 「いくらです?」 「一万で良い。」 リアスは思いのほかかからなかった金額に安堵した。 「ありがとう御座います。」 リアスは壁に立てかけていた長刀を右手に持った。 「『天翔(テンショウ)』『清桜(キヨザクラ)』」 リアスがそう呟くと長刀と小太刀が僅かに青白く光を発した。 そして、リアスは自身の右手に小さな魔法陣を発現させ、長刀は右手に吸い込まれるように消えていった。 消えたのを確認したリアスは小太刀を腰に差した。 「また来るがよい。」 老人はリアスにそう言いリアスは店を出た。
/367ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7116人が本棚に入れています
本棚に追加