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「ハッ…!ハッ…!」
しばらく走ったところで、少年は数本の街頭で囲まれ明るく照らされた広場に行き着いた。
広場の中央まで走ると、後ろを振り返り左手に持っていた銀色の剣を消した。その直後、後を追って白いコートの男が広場に現れた。
対峙するなり、男はその手に持つマグナムをかまえようとする。それを妨げるように、少年は素早く左手を前に突きだして呟いた。
『クレプスコラーレ』
その言葉に応じるように、少年の前に細い光の柱が現れる。少年はそれを右手の金色の剣で横から叩き飛ばした。
「やばっ!」
地面を焦がしながら飛んでくる光の柱を白いコートの男は横に跳んで回避する。
体勢を立て直そうとしたところに、少年が跳躍して一気に距離を詰め、着地ざまに大上段から剣を振り下ろした。
「はあああああっ!」
男は素早く引き抜いた忍者刀で、それを受け止める。鋭い金属音が辺りに響いた。
「ちっ!」
忌ま忌ましげに舌打ちしながら、少年は左手に再び銀色の剣を出現させる。男を横薙に切り付けるが、男は低くしゃがんでそれを避けそのまま低い姿勢から素早い回し蹴りを放った。
滝のように激しさを増した雨を弾きとばしながら、夜空高く蹴り上げた少年に荒々しくマグナムの銃口を向け、素早く引き金を引いて高い貫通力を持つ銃弾を発砲音とともに撃つ。
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