殺される:殺されたい?

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大録 毅誌 様 朝、ポストを確認すると、新聞の下に一通の封筒が届いていた。 昨日の夜、ポストの中を確認したときには何も無かったから、この手紙は新聞配達が来るより前。そして手紙を書いた本人が直接ポストに入れにきたわけだ。 玄関に入り、封筒を開ける。 中には、まるで脅迫文みたいなことが書かれた紙と、香水みたいなスプレーが一つ入っていた。 《今すぐPCに入ってるSDカードを取ってその家からでろ。危険だ。》 「………はぁ……」 手の込んだイタズラもあったものだ。 だいたい、危険があるのなら大声で呼んだり無理矢理家に上がり込んでくればいいじゃないか。 紙をくしゃくしゃと手の中に丸め込みながら、家の中へと帰る。 「それとも、これが目的か?」 自室にもどり、紙を手近なゴミ箱に捨てると、部屋のパソコンから四角い記憶媒体を取り出す。 何を隠そう、このデータは……… バスッ その時、にぶい音がした。 コンセントがショートしたような、そんな音だ。 「なんだ」 音としてはかなり大きい。 ためしにコンセントを確かめてみると、なんら変わりはなかった。 どこだ? ちょっと見回してみると、どこということはない。音の原因は、パソコンだった。 ディスプレイの真ん中あたりに小指大の丸い穴があいていて、周りにひびが広がっている。
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