~第二章~ 『破斬眼』

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ただ、ひたすら追いかける。 一刻も早く、小生意気な空兵どもをぶち殺してやりたかった。 リウスは、誘導されるまま倉庫のドアを開けた―― がらんと広いそうこには、埃まじりの冷たい空気が立ちこめていた。それほど高くない鉄枠組みの天井から吊るされたいくつかの電球が、薄いグレー色に空間を染め、一層の静けさをかもしている。 空兵は、倉庫の奥に横一列で並んでいた。 銃口はすべて、リウスに向いていた。 ――ハメられたか。 いまいまししくリウスは認めたが、敵は発砲してこなかった。 代わりに、黒スーツの男が前に進みでる。 男の手には、鞘に収められた刀がある。 ブーツの鉄底で次の床を踏む度、乾いた靴音と共に、頭から肩へと波のように揺らめいた銀髪が輝く。 「私は、ザハク・ジェネルド。    覚醒者だ」
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