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次の日
朝になって起きてみると6:00(しかも土曜日)
俺にしては、かなり早い目覚めだった。目もさえて二度寝も出来ないようなので、顔を洗いに洗面所に行くと先に優愛が使っていた。
『あ、おはようーお兄ちゃん。なんだか今日起きるの早いね。』
『おはよう。うーんなんか急に目が覚めてな。潤奈は?』
『まだ寝てるよ。あれは昼まで寝るカンジだから、寝かしといてあげよう。』
『全く好き勝手してるな。まあいつもだけどな。』
そう言うとクスクスと優愛が笑った。
『どうしたんだ?俺の顔に何かついてるか?』
俺は鏡を見たが何も付いていない。俺が首をかしげていると優愛が
『だってお兄ちゃん、潤奈が家に来るたびにそんな事言ってるんだもん。そんなに潤奈のコト気にして、好きなんじゃないの?』
『なっ!何言ってんだ!そんなコトあるわけないだろ!!』
『何ムキになってんの~♪お兄ちゃんおもしろ~い♪』
あ~もう朝から、優愛に遊ばれた。
全く今日は、ツいてないな。
はぁ~、とため息をつく俺につかせた張本人はと言うと、楽しそうな顔をしながら鏡の前で髪をとかしていた。
『どーぞ、洗面所使っていいよ。』
『ありがとよ。』
髪なんかどうでもいいからな、顔を洗うだけなんで早いんだけどな。
………あれ?なんか鏡、変だぞ?
そう思った刹那、鏡が水面のように波打ち声が聞こえた。
〔…い………こ……う。…………こ…………っ…ち……だ!〕
もっと良く聞こうと顔を鏡に近づけようとしたところ
『え?ちょ!うわ!?』
ガタン
『んー?ど~したのお兄ちゃん?』
優愛が振り返ってみると、そこに幽徒はいなかった。
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