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「ベルスフレア!」
その傷口らしい場所目掛けて、ベルちゃんの黒炎が放たれた。黒鬼の身体が炎に包まれる。
チャンスとばかりに追撃?馬鹿な。ふぉーめぇしょんぜっとはひたすら逃げますどこまでも。
見た目よりは効いちゃいないはずだ。笑ってるんだよ。黒鬼の奴。遥さんの鬼みたいな竜巻でも倒せなかったんだ。耐久力は半端ないはずだろう。
ベルちゃんを抱えて屋根へ飛び移り、来栖が向かった先へと跳躍していく。前には出来ない程の跳躍力に、加減を間違えないように気をつける。
「追いかけるわよ、黒鬼!遠山の奴を殺してやるわ!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」
激昂し我を忘れている寺本。当然だ。黒鬼の力に魅入られた者は怒りの感情に支配される。それは琴葉の家から持ってきた巻物に載っていた。間接的にとはいえ、桐沢にもその兆候は見て取れた。来栖が喫茶店で確認済みだ。
『当然だ。舐めた真似しやがって……殺してやるよ』
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