雪鬼の名に咲く神子と二鬼

引かれ合う因縁

一通目、遠山から。

『委員長の名前はゴンザレス朋子だぜ(*^-')b』

遠山の席に視線をやるとニヤニヤしてこっちを見ている。絶対わざとだ。あいつが可愛い女の子の名前を覚えてない訳がない。

よし、保存しておいて、ほとぼりが冷めたら委員長に見せてあげよう。

二通目、琴葉さん。

『誠ちゃん、ファイトだよ』

……いや、その、ありがとう。あのですね、贅沢を言うとできれば名前教えて欲しいなぁなんて。このタイミングでそれなのかなぁなんて。

琴葉の席に視線をやると、どういう風に取ったのか笑顔で手を振ってきた。

最後の砦、未知ちゃん。

『近所に美味しいクレープ屋ができたんだけど、今日一緒に行ってくれたら名前を教えてあげよう(。-∀-)♪』

メール作成して送り返す。

『未知様、今月ちょっとピンチだから奢るのはキツイです(ToT)』

はい、ピンク組のせいです。まだ今月前半だし無駄遣いはできない。

遠山に売り付ければなんとかなるかも知れないが。

『へ？言い出しっぺの僕が奢るよ？一緒に行って欲しいだけだから。どうだこんにゃろう(*´∀｀*)』

未知、相変わらずいい奴過ぎる。

それにしてもメールも個性が出るもんだな。遠山は相変わらず過ぎるが、琴葉が絵文字や顔文字を使う所は見た事がない。未知は面白かったり、可愛いらしいメール打つから見ていて楽しいんだよな。

ちなみに遥さんはうちの両親の希望で、一応携帯を持って貰ってるんだが……電話しか出来なかったりする。