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「んー……そうなんだ。雪鬼君が知らないなら他は思い付かないわね」
先程の事は流してくれたようで、思案顔で眉を寄せる委員長。
来栖ならと思ったが、委員長は来栖嫌いだしなぁ。
「あ、もう一つの用事なんだけど。これ、小山来栖から」
って来栖!?
茶封筒を手渡してきたので、とりあえず手に取る。
「委員長!ついに来栖と和解したのか!?」
ダン!と俺の机がテルぴょんパンチで悲鳴をあげる。委員長のがダメージありそうだが。
クックック、とか聞こえてきそうな逆恨みしたような悪役顔でこっちを見てきて恐いです。
「和解?辞書引いてみた方がいいわよ?私が小山来栖と和解する時があるとすれば、一位という名の至高の美酒をこの身に浴びた時だけだわ!!」
定期テストの学年順位で常に二位をキープしている委員長。そんな彼女を常に足蹴にしているのは来栖さんである。委員長が来栖がいる一組に対する私怨の理由の一つらしい。
まあ、委員長も成績ぐらいでここまでむきになる小さな奴ではない。
委員長は自分より成績上位の来栖を友としてライバルとして関係を持ちたかったらしく、よく挨拶しに行っていた程だ。
よし、委員長の納得いかないファイルを少し開いてみようか。
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