12676人が本棚に入れています
本棚に追加
まあ、そんなこんながあり来栖を目の敵にしていて、いつかテストで勝利してやると燃えているらしい。腕力に訴えない所が委員長らしいようでらしくないような。
というか俺なんで来栖に懐かれてるんだろう。たいしたことはしてないんだけどな。
「えーと……そんな委員長が来栖に頼まれ事?」
「無理矢理頼まれたんだから仕方ないじゃない。確かに渡したわよ」
来栖としては委員長に敵意はないみたいだからなぁ。俺を抜いて唯一頼めそうな相手が委員長という事か?ベルちゃん休みだし。
あ、けどナナちゃんはうちの一年だっけ。あの子なら臆せず来れそうだけど。まあ、来栖はナナちゃん苦手そうではあったしな。ペース乱される的な意味で。
「雪鬼君?私も何を渡したのか気になるから見てもいい?」
委員長が興味津々に封筒を凝視している。委員長の性格上、当然ながら開けてはいないようだ。遠山なら確実に開けるだろうな。
「ん?別にいいけど」
「あ!僕も僕も!」
委員長に続き未知が横から顔を出して封筒を覗き込んできた。琴葉も気になるようで、隣の席からチラチラと視線を向けてきている。
仕方ないなと苦笑しながら、封筒を開けて中身を手に落とす。ルーズリーフを丸めた物が落ちてきた。何かを包んでいる感じに見える。
黙って広げてみると……
「鍵……?」
封筒からは、少しくすんだ銀色のどこにでもあるような鍵が現れた。
最初のコメントを投稿しよう!