引かれ合う因縁

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「誠!貴様ぁぁぁ!!」 いつ復活したのか遠山に胸倉を掴まれた。いや、相変わらず理由が分からないんですが…… 誰か説明してくれると非常に嬉しい。 「見ろこれを!『くるす』と平仮名で油性マジックで書いてある!」 ……で? 委員長に未知に琴葉、三名ともそんな顔をしているように見えた。 遠山が騒ぐのはいつもの事なので、他のクラスメイトは一度チラリとこちらを見た程度。 待て皆……もしかしたら喧嘩になるとは思ったりしないのか……?僕らの大事な仲間が争ってるよ止めなきゃとか。 ……まあ、いつも遠山がやられて終了がうちのクラスのお決まり行事となりかけてはいるけど。 「つまりだ!来栖の心の扉を開けて!来栖はあなたのものよ的なアピール!」 一度こいつの脳内の構造を覗いて見たい。 しらーっとした視線が遠山に突き刺さる。委員長が死ねばいいのにと毒を吐いたのは聞き流そう。 「待て!今のは忘れてくれ……閃いた!」 一度目を閉じてクワッと見開く。正直そんなタメはいらない。 「とりあえず手を離そうか?」 胸倉を掴んだままの手を握り、爺直伝痛みの走るツボを親指で押したら電気が走ったようにビクッと反応して離れた。 「チッ!誠、そんな態度じゃ教えてやらないぜ?」 フフンと自信たっぷりなご様子。はずれている方向に千円賭けます。
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