“終焉の開幕

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    あれは、暑いが妙な清々しさがある梅雨明けの夏の出来事だった。   「悠人!早く行かないと、学校遅れるって!」   いつものように待ち合わせ場所に集合時間10分後に向かい、彼女に怒鳴られながら、自転車を転がす。 俺の前方でそれなりに急ぎ足で自転車を漕いでいる彼女は、緋妃未來(アケヒミライ)。俺の幼なじみである。   「分かってるよ。あれ、朋は?」   俺は、もう一人待ち合わせしているはずの奴がまだ来ていない事に疑問を覚えつつ、未來の後を追った。   「朋くん?宿題終わってないから先に行くって」   「彼奴が宿題っ!?そんな…今日は雷雨だな」   酷い言いようだ。 しかし、そんな俺の発言は彼女の反感を買ったのだろう。 彼女は、自転車を止め振り返った。   「悠人、他人の事言えないじゃん。 私の写してばっかりいないで、ちゃんと宿題やりなさいよ」   そんな事を言うために止まったのか…と思いつつ「はいはい」と生返事で止まっている彼女の横を通り過ぎた。   こんな具合で、下らない会話をしながらの高校までの道のり。   だが、この日本当に雷雨で空が荒れる事と同じ様な出来事が起こるとは想像もしていなかった。     .
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