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その声は教室の一番後ろにあるロッカーの付近。言わば俺の席の斜め後ろ辺りから聴こえたのだった。
「結城?朝っぱらからうるさいぞ。」
俺は少しだけ不機嫌だった。それはさっき朋に邪見に扱われたからって言うのも無きにしも非ずって所だった。
そして、俺が少し尖った口調で八つ当たりした相手は、鉄麻結城(テツマユウキ)身長180センチを超えるテニス部員である。
「悠人。そんな事言わないでこのバレー部なんとかしてよ」
俺は、やる気のなさを全面に押し出した。
しかし、結城はその大柄な体格とは裏腹に、性格は至って穏やかで優しい。
そんな奴をほっておくのも少し後ろ髪が引かれる思いだった。
「蓮華。もう、止めてやれよ」
俺は、結城の後ろでチョロチョロしている存在を覗き込むようにして言った。
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