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つまり、ほなみは現在元気よく太平洋で遭難中なのであった。
ゆらりゆらり。波を受けて微かに揺れるほなみを乗せた丸いボート。このボートも船にあったもので、そんなに強度があるものと思えなかった。
もし、嵐に遭ってしまえば、タイタニックのようなドラマチックな出来事もないまま、ほなみは激しく海に叩き落とされるに違いない。
「ど、どうしてこうなった……」
ボートから海を見ると、ほなみの姿が映っていて、いつもよりも元気のない表情にほなみは苦笑いを浮かべる。そこで、ほなみは思い出す。
自分がどうしてたった一人、だだっ広い太平洋の上にボートで浮かぶことになってしまったのか。都会のカラオケ好きなただの女子高生が、こんなことになってしまった原因。そのことが頭に浮かぶ。
忘れもしない夏休みも入る前日のこと。ほなみは学校の担任に呼び出されていた。理由はその時既に察していた。ほなみはテストの前日趣味のカラオケに力を使い果たしたのである。そのため、テストは全て赤く染まった。ほなみはカラオケの採点では100点で大満足、しかし学校はそれをよしとするわけもなく。ほなみは逃げたい気持ちだったものの、職員室に足を運んだ。
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