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そもそもなんで私が街角で人間観察をしているのか。
もちろん仕事…スカウト目的だ。
夏に向けての増刊号。
私は大手出版社に勤務しており、その特集の企画を任されていた。
初の大仕事。
順調に進んでいた矢先に、部下のこの一言。
『すみません…。モデルの子が急に辞めるって言い出して』
は?
しっかり捕まえておきなさいよ(怒)
…そんなこんなで使えない部下に代役探しを頼む気にもなれず、自ら足を運んだ次第だ。
人の波は相変わらず止まない。
いい加減目も疲れてきた。
下ろした背中までの黒髪が、首元にまとわりつく。
髪、上げてくればよかったわ…。
溜め息を吐きながら髪をかき上げた、その時だった。
一瞬途切れた人並みの間に、探し求めていた逸材を見つけた…
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