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何。不快。凄く不快。私の話なのに、私の為に動いてくれてるのに、不快感しかない。これは、蚊帳の外に居るからじゃない。“私以外の誰か”が“私の為に”動くからだ。
放っておいて欲しいのに。私なんか、地獄に居て当然なのに。地獄にしか居場所がないのに。たとえ今、アキの側に居場所が有ったとしても、それは私の居場所じゃなくて、アキの大切な人の居場所なんだ。今は私が無断で居座ってるだけ。
だから、だからお願い──!!
“私”を地獄から引き摺り出さないで!
ずるずると壁に背を預けながら座り込む。足がすくんで立っていられない。“私”らしくないっ。
「……そんなことだろうと思いましたよ」
「気づいてたの? わたしたち、人を欺くのは得意な筈なんだけど。おかしいね、梨恵」
「そうだね、恵梨。どうしてか、説明を求めたいんだけど、いいかな? いいよね?」
「ソコは黙っておいた方が格好よくないですか?」
「「いいえ、全く。格好よさなんて微量も感じれないよ」」
「まあ、どちらでも良いんですが、先にあなた方二人のお話を聞かせて貰えますか? いつ、御志波さんが戻ってくるかわかりませんし」
カチャリと微かに聞こえた。この音は、誰かがティーカップを置いたのだろう。
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