時間

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予想外だった。いや、予想はできたんだ。ただ、結構人気があるからこんな所でお目にかかるハズがないと思っていたんだ。 「期間限定のいちごみるく味のチョコレート!」 「また始まった……」 呆れ顔の大和はほっといて、早速チョコを手に取る。なになに、六粒入り百五十円。ま、この位の値段でしょ。 チョコを手に、いざ、飲み物コーナーへ! 何にしよっかなー、紅茶は最近飽きてきたし、コーラはねぇ、嫌いなのよ! シュワシュワするあの感覚が! でも、飲めないわけじゃないんだ! うん、飲めるもん。 「あれ、由衣、まだ炭酸飲めないの?」 「私が飲めないのはコーラだけだ! あ……言っちゃった、言っちゃったよー」 自己嫌悪。言わないよーにしてたのに、大和のバカ! 「なんか、ごめん」 本当に申し訳なさそうな表情で、大和は私の手の中にあるいちごみるくのお菓子を取り上げた。 「あっ……」 「お詫びに、これと、ジュース、奢るから、早く選びな」 「さんきゅー」 さぁて、何にしましょーか。 数分悩んで結局手にしたのは紅茶。アキがよく紅茶を淹れるからか、紅茶のある生活が当たり前になっていたんだ。 私に、そんな綺麗な世界で生きることなんて、できないのに、どうしてそんな生活を送りたいと思うのだろうか。考えても、答えは出ない。 紅茶を大和に渡すと、頬をつねられた。ぎゅーっと、力の限り。
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