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最後に、三女のエリスが泣き顔で言った。
「シンデレラはいつも何処で寝ているの~?」
エリスはお腹が空きすぎたのか、さっきから野菜をまるかじりしている。
「あはは…エリス姉、それはないよ」
そのあまりに悲しい光景に、つい乾いた笑いが出てしまう。
自分がちょっと寝坊しただけでこの惨事。
別に隠していたわけでなく、聞かれなかったから、言ってなかったのだが。
これは、姉貴ズに寝場所を教えた方が良いか悩むシンデレラだった。
それから、姉貴ズと自分に遅い朝食――もとい昼食を作る。
エリーゼは、食べて来たらしいからいらない。
「それじゃあ、私たちは舞踏会の準備をしようかね。シンデレラ、時間までに仕事を終わらしておくんだよ」
昼食を食べ終わった継母たちは、シンデレラに仕事を押し付けて服を選びに行ってしまった。
「…さて!飯も食ったし、仕事やるかね」
そう言って、いつもの仕事に取り掛かる。
今日は寝坊したから、少し急がなければいけない。
「シンデレラ~!この服はどう?似合う?」
「あーはいはい。似合う、似合う。だから、掃除の邪魔しないで」
夜の舞踏会の為に服を選び始めた姉貴ズの妨害を受け流し、ちゃっちゃと掃除する。
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