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日が段々と落ちてきた頃、シンデレラは腰を上げた。
「さて、そろそろ戻るか。あいつら血眼で探してるだろうし」
それに、姉貴ズの失敗作の後始末をして夕飯を作らないとまずいだろう。
家に向いた顔を墓に戻し、小さく言う。
「…じゃあな、母さん、親父。また明日」
そう言って、シンデレラは振り向かずに家へと歩いて行った。
「おっと、洗濯物、洗濯物!」
家に着くと、まずは干しっ放しにしていた洗濯物を急いで取り込む。
それから台所に向かうと、姉貴ズが涙顔で詰め寄ってきた。
「「「シンデレラ~!!」」」
「あー、はいはい。後始末しとくからあんたら部屋行ってて」
姉貴ズを部屋に帰し、やっぱり失敗していた料理を片付ける。
「今日は気分が良いから、カボチャのスープにでもしようかな~♪」
今日は、シンデレラの得意なカボチャ料理だ。
後始末が終わった後、シンデレラは鼻歌混じりに夕飯作りに取り掛かる。
「♪♪~」
母親から習った料理を作っているこの時間が、シンデレラは好きだった。
「明日、お城で舞踏会があるそうです」
その日の夕食の時、いきなり継母が言った。
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