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「「「舞踏会?」」」
「うん、旨い。流石だな、あたし」
目を輝かせる姉貴ズを余所に、ただ黙々とスープを飲むシンデレラ。
ちなみに、『飯を作ったのは自分だから』と普通に一緒の物を食べている。
継母は、そんなシンデレラを咎めずに話しを進める。
「今回の舞踏会で王子の目に入れば、結婚できるかもしれないわ。貴女たち、明日は目一杯おめかしなさい」
「「「はーい♪」」」
キャッキャッと明日の舞踏会に着て行く服ではしゃぐ姉貴ズ。
そんな姉貴ズを満足そうに眺め、継母はシンデレラに冷ややかな視線を向けた。
「シンデレラ、お前は分かっているね?」
それに食べかけのパンを飲み込み、面倒臭そうに返す。
「んぁ?あたしがそんなとこ行くわけないだろ。皆で行ってらっしゃ~い」
笑顔ついでに手を振って、送る言葉を述べる。
「そう。分かっているじゃないか。じゃあ、明日は留守番している間ちゃんと仕事をしておくんだよ」
そう満足そうに言い残して、さっさと部屋へと帰る継母。
その背中に、シンデレラは舌を出して言った。
「分かってるっつーの。だから安心して行ってこい。ついでにそのまま帰ってくんな」
幸いにして、その言葉は継母には聞こえなかったようだが。
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