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「お前はあの女がどれほど恐ろしいか知らないからそんな事が言ってられるんだ………」
少しだけ視線をずらし、京介さんが怯えるような口調でつぶやきます。
「真の………恐ろしさ?」
チャーチャーチャーチャッチャチャーチャッチャチャー
チャーチャーチャーチャッチャチャーチャッチャチャー
どこからともなく黒い帝王のテーマが流れてきました。
『シュコォ、シュコォ』
マスクから漏れる息の音ですね?
そこまでのリアルは求めてません。
「チッ、見付かったか!!」
京介さんが辺りをキョロキョロと見渡して、その姿を探します。
『体育館裏でタバコ吸ってるよぉな悪い子にはお仕置きッス!!』
空中から聞こえるノイズ(電波の声)。
急いで上空を見上げますが…………時すでに遅し。
「天誅ぅぅぅうぅぅッ!!」
京介さんの頬を掠め、電波の持っていた木刀が地面を抉ります。
京介さんの足元ごと陥没させ、2メートルほどのクレーターが発生したのは、きっと目の錯覚ですね。
まさにミステリーサークルです。
「ちょッwおまッwやりすぎッwww」
口をパクパクさせている京介さんの心を電波が代弁します。
でもきっと、彼はこう思っていたんでしょうね。
「ちょっとちびった……」
と。
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