入学式~路地裏より愛を込めて~

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  「いやね?さっさと行かないと遅刻しちゃうわけよ俺」 とある街のとある路地裏。 一人の青年が、ガラの悪い連中に囲まれてます。 まぁ対する青年も、だらしなく着くずされた黒のYシャツに、整った顔つきの中で、生れ付きとはいえその性格上さらに細められた切れ目が、言葉とは裏腹にギラギラと輝いており、負けないくらいのガラの悪さですが…… 「しらばっくれてんじゃねぇ!テメェが俺達の仲間ボコッたっつぅネタは上がってんだよ!」 あらあら、どうやら青年の蒔いた種らしいですね? それはキチンと刈り取りましょう。 「ちげぇよバカ、悪いのはあいつらだっての」 めんどくさそうに頭をかいている所を見ると、悪いのは100%貴方ですね? 「俺と同じ空気吸ってやがったから………」 はい、正解☆ 「そ、そんな理由で……タカシは、タカシはなぁぁあああああぁッ!!」 タカシさん、生命の危機なんでしょうか? 「テメェのヤクザキックで玉潰れちまったんだぞ!?もう二度とエクスタシー感じられねぇんだぞ!?」 生命と言うか、一族の危機でしたね。 まぁ諦めて自分探しの旅にでも出発しましょう。 「ちなみに………」 ちなみに? タカシさんの身にまだ何か? 「タカシは長男にして一人っ子だ!!」 …………タカシィィィイイイイイイィッ!!!
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