2学期~体育館の裏って言ったらタバコか告白だろ?~

17/19

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
  「……てめぇは俺を怒らせた」 星・白銀です。 何一つ京介さんを怒らせるような事はしていないと思います。 煙が晴れ、その中から黒焦げの腐太郎が姿を現しました。 あれですね、頭が実験失敗した博士です。 でも…… 立ってました。 「へぇ、やるじゃん?」 京介さんが二股の村正を再構成して、嬉しそうに微笑みました。 「まだ……まだだ!!」 戟を杖代わりにして、もはや気合いと根性だけで立っている腐太郎。 ちょっとだけ、健気に見えてきました。 『白虎科一位クラスの風の防壁ですらこの有様!!その姿で立っているお前に惚れそうだぜ高岡ぁぁぁあぁぁッ!!』 完全に瀕死ですけどね。 「睦月さんの前で……無様に倒れてられっかよ!!」 「じゃぁ無様な姿晒さないように、カスも残らないくらい消滅させてやんよ!」 瀕死の腐太郎には絶望的な。 見る者には圧倒的な。 他者とは桁違いのオーラ的な何かをまとい、京介さんが一歩ずつゆっくりと前進します。 『二刀……』 二股目が砕け散り、深紅に燃え上がった村正が、避ける事も受ける事も出来ない腐太郎へと、ゆっくりと振り下ろされました。 『鬼哭斬』 一瞬の無音の後、世界を引き裂くような爆音を轟かせた村正が、空気を、地面を、全てを燃やし尽くし………… ゆっくりと静止しました。 「チェックメイトだ」 ナイフは隠し持っていなかったようです。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加