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「それくらいにしておきなさい、京介?」
止まった村正の先にいた者。
その刀身を素手で軽々と受けとめていた者。
「相変わらず、お前は死が嫌いだな深月?」
別人のような美しい表情で、電波が静かに起立していました。
しかし深月[ミヅキ]とは?
「貴方が無駄に殺しすぎなのです……それに、私が救った命の火を貴方に消されてしまっては、何だか悲しいではないですか?」
今にも消えていなくなってしまいそうな悲しい微笑みを向けられ、京介さんがばつが悪そうに視線をずらしました。
「たくっ……あぁったよ、止めとく」
村正を消し、後ろを向いて手をひらひらと振る京介さん。
『な、な、何が何だかわからねぇぇぇぇえぇぇぇぇ!!だがこれで決着で良いのかぁぁあぁぁぁぁっ!?』
実況もビックリの展開に、会場は静まり返っちゃいましたね。
今オナラした方は漏れなく英雄です。
「また……助けられちゃい……まし……た…ね」
戟を握っていた手が緩み、腐太郎が地面に倒れこんでその意識を飛ばすと同時に、会場が一気に歓声で包まれました。
『圧・倒・的!!これが、これこそが光龍創立以来の天才!!朱雀神の子!!鬼を宿した男!!でも今はとりあえず救護班急いでぇぇぇえぇぇぇぇっ!!!!』
紙吹雪きや風船の飛び交う中、満身創痍の腐太郎に救護班が駆け寄りました。
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