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「ヒャハッ!!」
電3が手にした長刀で腐太郎だったものを斬り付けます。
『ガァァァァァァァアァァァッ!!!』
――――ギンッ!!
「チィッ!!」
金属同士がぶつかる音を立てて、電柱2、3本束ねたような腕に弾かれてしまいました。
「ならこいつはどうだぁ?」
目をギラギラと輝かせながら、電3がナノポンの形状を変化させます。
「今度は一味違うぜ?」
両腕から生えるように伸びたロングブレードで、腐太郎もとい禁獣の胸を斬り付ければ、その頑丈な皮膚が抉るように斬り飛せました。
どんな魔法を使ったんでしょうか?
「超振動ブレードだよ」
ぼーっと後ろの方で眺めていた京介さんがタバコ吹かしながらつぶやきます。
「まぁ簡単に言うと刃の部分が極小のチェーンソーみたいになってんだわ」
えっと、それは私に説明してくれているんですか?
「あ?他に誰がいんだよ?」
いえ、ありがとうございます。
「どんどんいくぜぇぇえぇッ!!」
「あんまりやりすぎるなよ貴月!一応、そいつ助けるために戦ってんだからな?」
「俺に指図すんなって言ってんだろうが!!安心しやがれ!こいつの中にいる変態野郎には届かないように斬ってるからよ!!」
狂ってるように見えてきちんと理性を持っている辺りは、電波よりマシとみました。
あえて言うならば、深層人格の電3にまで変態呼ばわりされる腐太郎が不憫でなりません。
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