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「んでだな」
「はぁ……」
怪しい拷問部屋にでも連れて行かれるのかと思ってヒヤヒヤしていた腐太郎ですが、そこはごく普通の保健室でした。
「まぁ飲めよ」
「はぁ……」
腐太郎が出されたお茶をすすりながら、ニヤニヤと笑う女王から視線をずらします。
京介さんはまだ意識不明ですね。
「とりあえずは入科おめでとうと言っておこうか?」
「……おめでたいことなんですか?」
笑顔で差し出された女王の右手を握りながら、股関の違和感を思い出して腐太郎が小さくため息をつきました。
「普通の実戦訓練より稼げるぞ?」
「それは嬉しいですけど……」
相変わらず歯切れの悪い解答をしながら股関をモジモジとしています。
「裏稼業科は特Sクラスの実戦訓練に出てもらうことになるからな!光龍の一般構成員でさえ選ばれた一握りでしか出動を許されないレベルの仕事だ!誇りに思えよ?」
「てか、緒方先生は何なんですか?」
さすがは腐太郎。
誰もが気になる話題の最先端へ切り込んでくれましたね。
「私?私は光龍学園保健医兼、裏稼業科・特務担任だよ!あんた達と同じ、身体に核を持つ者さ」
目を丸くした腐太郎に、女王が右胸をはだけさせて黒く光る核を見せました。
腐太郎の小太郎が大太郎になったのは内緒です。
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