じめじめのきせつ

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「言葉…となると『声』と『空気』だ。 あとは何だっけ?」 パラパラとページを捲る。 必要なのは錬成。 その錬成した物を、龍と錬金する。 「声だけやと駄目や。 『音』と『理解』も必要やで。」 言葉にすれば簡単な作業だ。 けれど、実行するにはかなりの苦難。 あの龍も結構時間が掛かってたりする。 「気付いてないだろうねー♪ 媒体が、1つの魔具って事ー。」 ファルスの言葉に俺達は笑う。 エルフの長はきっと気付いていない。 多分、想いと魔力で作ったと思ってる。 「それが出来れば、賢者の石も出来るぜ。 あの龍の媒体、サラマンドラから貰った何かを使ってるだろ?」 クスクスと笑いながら頷く。 たまたま持っていたサラマンドラの物。 それは『火燐の石』だ。 「バレるかと思ったけど、バレてないし。 その点においては俺達の方が上だな♪」 「あはははー♪」 エルフの長を出し抜いた俺達は、まだ賢者の石を創れない。 でも…勝ちは勝ちだ。 「次もコッソリ勝たへんとな♪ せや…『音聴き』と『変換』やないか? 取り敢えず創ってみよや。」 『声』と『空気』に『音』と『理解』 『音聴き』と『変換』で取り敢えず創ってみる事にした。 「俺は調整に回るよ。 カイトは『組み合わせ』で。 ファルスは『錬成』な。 アラミンは『組み立て』で。」 それぞれの得意分野に合わせる。 『調整』は魔力を調整する事。 『組み立て』は付加を創る事。 『組み合わせ』は付加を組み合わせる。 『錬成』は組み合わせた付加と、対象の物を錬成する事だ。 この4つで『錬金術』が出来る。 因みに俺は組み立てが苦手だったり。 「余計な物まで創られたら困るぜ。 『組み立て』は任せてくれ。」 俺が組み立てをすると、不思議な付加が出来てしまう為…危ない。 遊びで創って、処分に困る事が多々ある。 「組み合わせ、お願いねー。」 最近知ったんだけど、ファルスは組み合わせが苦手らしい。 それに比べ、カイトは得意だ。 代わりに…錬成が少し苦手。 エルフの血が混じってるからか、創る物とは違う物がたまに出来る。 それもエルフ関係。 「頼んだで。 媒体はどないする?」 「理解の成長に合わせて、月下草の種に。 結構無難だと思う。」 立ち上がって、棚に並ぶ魔薬瓶を調べる。 どれが月下草の種だ。  
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