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世界的の大規模な事件から1ヶ月。
月日が経つのは早いもので、あの時に負った傷は時間が癒やしてくれた。
カイトの手を取って国に戻ると、待っていたのは仲間達。
街の外まで来てくれて、何時もの言葉。
「みんな、お帰りなさい!!」
なんて暖かいんだろう。
紙一重で保っていた緊張感は、仲間達と街の人々の笑顔で崩れた。
「ただいま、みんな…!!」
そこから3日間、俺達は寝込んだ。
肉体的な疲れと…精神的な疲れで。
俺は…魔力の使いすぎと、安心感で。
見慣れた自分の部屋で横になってると皆が来て、教えてくれる。
「聞いて下さい!!
今ニュースがあって……!!」
幸いな事に、死者は0人だとか。
重傷者も居ないとか…宝玉の欠片によって操られていた人達はみんな元に戻ったらしい…とか。
「ただ…エウロス王国は……。」
操られていた、とはいえ…やった事の重さによって王位は剥奪。
国王とその家族は罪を償う為に、今は復興活動に専念している。
国が落ち着いたら、王位の儀式って…組み手みたいなのをするらしい。
正直、良く…分からない。
「ディル様。
1つ…嬉しいお知らせがありますの!!」
何でも、シューちゃんのお嫁さんが妊娠したらしい…念願の子供、とか。
名前は…何だっけ?
「男ならラズバルト。
女ならラズベリー。」
女の名前、止めた方がいいよ。
てか…食べ物じゃんか。
「いいだろ、別に。
略して『ラズル』なんて、どうだ?」
聞いた事のある名前に、笑ったなぁ。
お前、そんなに俺が好きなの?
それとも…ヒコーキが欲しいだけか?
「でも…不思議だね。
過去の人から生まれた闇、それが災い人さんだったなんて。
どうして…かなぁ…。」
災い人は、過去の災い人。
古代の人から生まれた闇…そのもの。
だから、脳があるし…破壊を望む。
でも結局、分からず終い。
何で今更この世界に来たのか、どうやってこの世界に来たのか…。
「今は今だ。
ちゃんと飲め、苦くても飲…ディル!!!」
良薬口に苦し、とは言うけど…苦いのは嫌いで駄々こねて飲まなかったり。
まあ…怒られたけど。
「もう…梅雨だな。
ディル、もう直ぐ夏だ。」
「いやベイト?
梅雨って言った後にもう夏かよ。」
っとまあ、こんな事をしていた。
外は雨…これから、何が待ってるか。
さあ、楽しみだなっと!!!
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