じめじめのきせつ

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泥を持ってジッと俺を見るアミラ。 ごめん、卑怯だけどノリにノったこの子達に俺は勝てる気がしない。 「じゃ、俺もディルだ!!」 「させる訳、無いよ?」 フェイトンは風属性、エイタンは…光属性なのに何かどす黒いオーラが。 俺は乾いた笑いを浮かべ、財布から1ギルを取り出した。 「これが落ちたら開始な。」 一度指で弾いて掴む。 皆は俺から距離をとって、泥を構える。 「(…異様な光景だなぁι)」 構える物は手に握る魔武器…じゃなくて水と土が合わさった泥。 気にしない事にして、俺は空高くギルを指で弾いた。 地面に落ちる前にソソクサと逃げる。 ――ベタッ..!! うん…予想してたけどな!! 勢いに掛ける開始の音に、肩が傾く。 気を取り直して泥をアイルに投げた。 「はぶっ…!!?」 顔面に直撃。 口に入った土を吐き出すアイルに、心の中で謝って『泥合戦』を開始した。 「ディルの背中、穫った!!」 「させないって言ったわよ、ねッ…!!」 ルイスは俺の背後に回って泥を投げ付けようとするも、エリシアに阻止される。 そのまま俺は逃げて、向かってきたカレナにカイトを盾にした。 「ずっ…ズルいよ!!」 立ち止まったカレナに、カイトは良く分からないまま泥を投げる。 投げられたカレナは、俺に仕返しの闘志を燃やした。 「ロイドは甘ーーいッ!!」 「…っ…!!?」 ベイトと投げ合いをしていたロイドの背中に泥を投げる。 俺の投げた泥に気を取られ、正面から来たベイトの泥にも当たった。 「甘いぜディル!!」 「なんのこれしき、泥相殺!!」 アラミンの投げた泥に、泥をぶつける。 …相殺は無理だった。 「飛び散ったよー…?」 「………被害者……」 俺とアラミンを含め、近くに居たファルスとアミラに泥が飛び散る。 相殺は諦めた。 「隙有り、や!! ……………あι」 飛び散った泥に気を取られ、背後に居たカイトから泥を投げられる。 慌てて屈むと、対角線上に居たエリシアの顔に当たる。 「カイト様、女の敵ですわ…!! 許しませんので、お覚悟を!!」 「やってくれるじゃない、カイトぉお!!」 カイトはリディアとエリシアの敵に。 理不尽や、とか言って逃げてた。 「奥義、二段投げ!!」 カイトは放置して、近くに居たフェイトンに泥を2つ投げる。 が…横から来た2つの泥に飛び散らされてしまった。  
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