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ジリリリリン!ジリリリリン!ジリリリリン!
…ん…電話か?…テレビの上の時計を見ると、時間は午前2時を回った所だった。
「あ~寝ちまったか…風呂に入らないと。」
ジリリリリン!ジリリリリン!ジリリリリン!
あ…電話。携帯は…スーツの中か…
俺は寝ぼけた頭を振り、携帯をスーツから取ろうとしたが、その時気づいた。
「え?何だこの音。」
それは昔の黒電話の呼び出し音だった。
「え?あれ?テレビか?」
俺はテレビの画面を見た。
テレビでは深夜映画がやっている。
しかしどう見ても、電話が鳴る様な場面ではない。
「やっぱ携帯か?」
しかし俺の携帯の着信音は、お気に入りのアーティストの着信音だ。
ジリリリリン!ジリリリリン!ジリリリリン!
その間も電話のベルは鳴り響く。
「何なんだ一体…」
さらに俺はある事実に気付いた。
「携帯…充電…切れてたよな…」
俺の背中に冷たい汗が流れる。
「とりあえず携帯を見てみるか…」
俺はスーツに入れっぱなしだった携帯を取り出した。
…鳴ってる。間違いない。
ジリリリリン!ジリリリリン!ジリリリリン!
電話のベルが不気味に鳴り響く。
誰からだろう?
いやいや。
それ以前になんで鳴ってるんだ?
頭の中はパニック状態だ。
取り敢えず携帯の画面を確認してみよう。
話はそれからだ。
俺は二つ折りの携帯を、恐る恐る開いてみた…
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