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携帯を恐る恐る開いてみる。
そして携帯の画面を確認すると…
『通知不可能』
…なんだコレ？
通知不可能？
そんな表示があるのか？
いや、待て…確か…ダイヤル式の電話から携帯に掛けると「通知不可能」が表示されると聞いた事がある。
そのせいか？
だから着信音が黒電話の呼び出し音なのか？
そんな馬鹿な！
そんな事は有り得ない！
体中から嫌な汗が流れ落ちる。
駄目だ！
これは出ては駄目だ！
しかし着信音は鳴りっぱなしだ。
取り敢えず「切」ボタンを押せば留守番サービスになるハズだ。
俺は「切」ボタンを押してみた。
音は鳴り止んだ。
…普通なら携帯の画面には『留守録中』と表示されるハズ。
しかし携帯の画面に出たのは…
『通話中』
なんなんだよコレ！
もはや発狂寸前だ。
携帯からは、何やら声らしきモノが聞こえる。
駄目だ！
聞くな！
理性が最大限の声で叫ぶ。
しかし俺の手は、自分の意志に逆らう様に携帯を耳に充てる。
「………ん………」
なんだ？よく聞こえないな…
「……め……ん……」
それは男の声とも女の声とも取れない、かすれた小さな声だった。
めん？
ゴメン？
謝ってるのか？
俺は耳を澄まして聞いてみた。
「…め…ん…さ…い…」
めんさい？
ゴメンナサイか？
やっぱり謝ってるのか？
！！！
まさか！
先輩か？！
先輩の身に何かあったのか？！
しかしその考えは、間違っていた。
次の瞬間、電話の声がはっきり聞こえた。
「がめんをみなさい」
えっ？画面？
俺は携帯の画面を見てみた…
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