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画面の手前に移動をしてきたヤツは、テレビ画面の縁に手をかけた。
?!
俺は自分の目を疑った。
ゆ…指が…指が画面から出てきている!
テレビの画面を凝視していると、ヤツはテレビ画面の縁に手をかけたまま、「よいしょっと…」
まるで壁を乗り越えるみたいにして、テレビの画面から出てきた。
あまりの出来事に腰を抜かし、そのまま床に座り込む俺。
「あ…あ~…な…なん…どう…」
もはや言葉にすらならない。
「おやおや?ビックリしましたか?まぁ、怖いのもあと少しですよ。向こうに行けば、怖さを感じる事もなくなりますから。」
ヤツは相変わらずニコニコしながら、そう言った。
…駄目だ。
…終わった。
…もう逃げられない。
俺は、俺の人生がココで終わる事を悟った。
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