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「あ~あ。ま~た失敗してしまいましたか。どうにも私はツメが甘いな~。」
テレビの画面の中で、ヤツは悔しそうに言った。
『失敗』?
と、ゆう事は…
俺は…助かったのか?
更にヤツは続けた。
「まぁ…今回はコレで我慢しときますか。」
そう言うとヤツは、俺のであろう左手を、ヒラヒラして見せた。
「それとですね~。もう貴方は狙いませんので。その辺は安心して下さい。」
安心しろ?
人を殺そうとしておいて?
「はぁ?お前は一体何者なんだ?お前が俺を襲わない保証が、一体ドコにあるんだ!」
「そうですね。保証はありません。しかし、少なくとも貴方はもう『画面』には近付かないでしょ?」
…確かに…こんな目にあっては…二度と『画面』には近付けないだろう…
「そうゆう事ですよ。正確に言えば狙『え』ないって事です。学習するのが『人間』の厄介な所なんですがね。」
そう言うとヤツは、テレビの画面の奥に向かって歩き始めた。
どうにも納得できない俺は、思わずヤツを呼び止めた。
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