携帯電話

9/32
前へ
/32ページ
次へ
先輩の病室を後にした俺は、ナースステーションに立ち寄り看護師に少し話を聞いてみる事にした。 「すいません。302号室の広瀬さんなんですけど…大丈夫ですかね?随分動揺しているみたいですけど…」 「まぁ…怪我の程度が酷いですからね。ショックもありますでしょうし…なるべく怪我の事には触れずに、励ましてあげて下さい。」 看護師は当たり障りのない言葉を返す。 まぁそりゃそうか… 「では広瀬さんの事、お願いします。」 「大丈夫ですよ。お任せ下さい。」 そう言うと看護師は、飛びっきりの笑顔を返してきた。 まぁ…あの笑顔に癒される事を祈るか。 病院を後にした俺は車に乗り、いつもの喫茶店に向かった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加