-イントロ-

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暑さがまだ残り、長い休みの気持ちがぬけない9月。 緑高校は2学期に突入した。 あちこちで生徒達が挨拶を交わす。 その間を無言で通り抜ける私。 中川愛理 16歳。 髪をみつあみにし、メガネをかけ、黙って歩く私に、声をかける人などいない。 もちろん、こんなダサい私は、9月になっても友達ができなかった。 「ハァ・・・」 私は小さくため息をついて自分の席に座った。 教室はいつも以上に騒がしかった。 誰も私には目を向けない。 私はいつも1人だった。 .
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