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たとえば、お風呂。
昔のお風呂は火を焚いて沸かすゴエモン風呂。
薪をかまどに焼べる。
ちぃばぁちゃんの仕事。
薪はなかなか直接は火が
つきにくい。
そこで使うのが
下柚(ゲズ)の枝。
カラタチっと言った方が
一般的かな。
薔薇の枝みたいに鋭いトゲがびっちり生えてる枝。
油分が多くて燃えやすいんだって…。
そんなの…。
目が見えてたって
トゲが刺さるのに…。
ちぃばぁちゃんの手は
いつも傷だらけ…。
その手で洗濯をする。
洗濯板でゴシゴシと…。
どんなに痛かったんだろうね…。
ちぃばぁちゃん。
私が目が見えないからいけないんだって…文句一つ言わない。
できるなら、今私がそこにいって代わってあげたかったよ…。
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