『右足の傷』

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ちぃばぁちゃんは落ちた…私を背中におぶったまま…  右足に激痛が走る…。   でも…   ちぃばぁちゃんは 真っ先に振り返り…   私が怪我をしていないかと心配して『触る』…。   ちぃばぁちゃんは柱から 飛び出していたクギで足をバックリと切っていた…。  物音を聞き付け、母が納戸へ行く…。   ちぃばぁちゃんの足…   目を被いたくなるくらいの酷い怪我…。   白い骨まで見えてる…。   ちぃばぁちゃんは、 それでも…   拓ちゃんは…!? 拓ちゃんは怪我してない?  私はちぃばぁちゃんが庇ってくれたのか、かすり傷 一つしていない。   なのに母に…   ごめんなさい…! ごめんなさい!! 私が見えないばっかりに…  謝るちぃばぁちゃん…。     母は畳のことを告げなかったことを謝った…   けど、そんなことは どうでもいいみたいに私の心配ばかりをしている…。  ちぃばぁちゃん…   痛い時くらい『痛い』って言っていいんだよ…?   なんでそんなに我慢しちゃうんだよ…?   痛くないはずないじゃん?  謝ったりしなくていいんだよ…?   ちぃばぁちゃんが悪いんじゃないよ…。
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