『転機』

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おっきぃばぁちゃんの 死後…しばらくして…   母が点字図書館ってとこから点字で書かれた本を毎月二冊づつ取り寄せるようになった。   ちぃばぁちゃんは 凄く喜んでた。   それから嬉しそうに本の話をするようになった。   もしかしたら初めての娯楽だったのかもしれない。   話したくてしょうがないって感じで母を呼び止める。  母もちぃばぁちゃんが 大好きだった。   どんなに苦労しても、 ちぃばぁちゃんの苦労に 比べたら、なんでもないことに思えたって…。   母がいつか話してくれた。  ちぃばぁちゃんがこの家にいなかったら、とっくに離婚または別居してたって。  おっきいばぁちゃんは…   私には甘かったけど…。   決して人から好かれるような人間ではなかった…。   私の前では見せない…   もう一つの顔を 持っていたから…。
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