花 × 言葉

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そんな言葉を残して、その人は去った。 なんだかドキドキする言葉で、本気であたしも‥‥と勘違いできてしまいそうだ。 でも幸いというべきか、優梨がやって来た。 「おまたせ―‥‥砂奈ちゃん?」 「ん、終わった?」 「うん!砂奈ちゃんさっきと雰囲気違うね‥‥」 やっぱり髪ゴムのことかな、いつもやらないことなんだし、やらなきゃよかった。 「あ、うん。貰ったんだ。でもやっぱ似合わないね」 「ううん!すっごい可愛いよ!あ、違うかも。大人っぽくて綺麗、かな」 一瞬、本気で今日が4月1日なのではないかと考えた。きっと優梨は強制的に言わされたんだ。あたしのことを『綺麗』と言えって。 なんて反応したらいいのかわからず、しばらく無言で歩いてしまった。感のいい優梨はわかってくれたんだと思う。何にも言わずに微笑んであたしと一緒に歩いてくれた。
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