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「ブォー…
ブォー…ブォー…」
船の汽笛の音が私の心を沈めてゆく…
時刻は夕時。
海岸線にある防波堤の上、一人佇んでいた。
時おり、ザザッ、ザザッと聞こえる波の音にウミネコの泣き声が上手く調和した。
染まりゆく夕日が海をキラキラと輝かせ、恵の顔に反射していた。
…ああ…
…この世界はこんなにもキレイなのに…
徐々に沈みゆく夕日に、私の疎外感もよりいっそう強くなっていくようだった。
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