エピローグ

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「も、もしかして」 「ああ、ばっちりズームで撮らせていただいた。何かやらかすのでは、と思っていたがまさか噛むとはな」 「いやあああぁ! 消して! この世から削除してぇ!」  恥ずかしさに、再び顔がほてる。  もう、ニヤニヤ笑ってんじゃないわよ! 「それは見たかったなあ。僕も式に出れば良かった」 「なっ? チカさんまで!」  ムサシの背後から現れたチカさんは、あたしにピンクのバラが咲き誇る花束を手渡した。 「とにもかくにも、卒業おめでとう。これは僕とむーちゃんからだよ」 「ああ、ちゃんと卒業出来たのはめでたいな」 「う……ありがとう……」  ムサシの言葉にやや引っかかりを感じつつも、あたしはお礼の言葉を口にした。  二人のおかげで、あたしは卒業出来たようなものだから。
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