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ってあれ?
本当に世界が回って……る……?
ぐんにゃりと視界が歪む。
そして次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
「……リ。ユリ」
あたしを呼ぶ声がする。
優しい声。
ずっと聞いていたくて、あたしは寝たふりをする。
「ユリ、起きろ」
やだよぉ……あともう少しだけこのままでいさせて……。
「起きないとその姿、余すところなくカメラに納めるぞ」
かめら……?
不思議に思って目をうっすらと開くと、至近距離にムサシの顔。
近い! 近すぎるってばよ!
「なななななに!?」
「やっと起きたか。熱、少しは下がったか?」
「ほえ? 熱?」
きょとんとしているあたしに構わず、ムサシはあたしの頬に手をあてる。ひんやりとした手のひらが、心地よい。
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