2.危ない橋は叩いて砕く。

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 前言撤回。コイツ、ただの変態じゃない。  鬼だ。鬼畜だ! 「楽しむつもりなんて、これっぽっちもなかったわ! そっちこそ、雨で頭ん中にカビでも生えまくってるんじゃないの? 一回殺菌した方がいいよ、いやするべき。むしろ滅菌されてしまえ!」  あたしはまくしたてた。  ムサシは、ベッドに腰掛けてそんなあたしを眺めている。鼻筋の通ったすっきりとした顔立ちは、はっきり言ってかっこいい。スーツもいいけど、軍服なんかも似合いそうなストイックなたたずまいを感じる。  だけど。 「それだけギャアギャア言えるなら、一安心だな。よし、続きを」 「せんでいいわぁ!」  口を開けば、度を超した変態かつ鬼畜。  なんてもったいない。  ん?  なんでもったいないんだ?
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