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あたしが何を言ってるのか心底わからないって表情を浮かべてるムサシを見て、ため息が出る。
こういう自信満々な奴っているんだよね。世界中の誰もが自分にひれ伏すと思ってるの。そういう奴に限って、こっちが拒否すると手のひら返したように冷たい態度を取る。
まるで、あたしなんて人間じゃないみたいに。
ちくり。
ある記憶が胸に引っかかってあたしの胸は疼く。
やだ、思い出さないようにしてたのに……。
「とにかく、そろそろ制服も乾いただろうし、あたし今度こそ帰るわ」
これ以上ムサシといてもいいことない。
そう思ったあたしはバスローブの前をかきあわせると、ベッドから降りようとした。
スプリングが適度に効いて、ふかふかのベッドと別れるのは名残惜しいけど、仕方ない。
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